昨日は朝から台所が混雑していた。
せんせいが畑で育てていた大根を収穫してきた。
土を落として、洗う。
台所に獲れたての大根が並ぶ。
葉っぱをゆがいて、下処理完了。
今度は母ちんが、きれいになった大根の葉を炒め、大根を炊く。
先生が大事に育てたお野菜を、母ちんは残すところなく料理する。
かぶらの太く剥く皮も、千切りにしてきんぴらを作る。
これがまたおいしい。
「せんせいが愛情かけて育てんだから」が口癖だ。
私は虫が大の苦手だから、ほとんど畑に近づかない。
収穫したブロッコリーに小さな青虫がついている時もあって、一人で
「ギェ〜、むし〜〜!」と騒ぐ。
せんせいは
「タンパク質、タンパク質。青虫さんゆがいちゃってごめんね」
と私のことはあまり視界に入っていない。
母ちんは
「それはいるでしょうね」
といつもどおりクール。
2:1で自然界の勝ちとなる。
お野菜においては、貢献度が低い私だけど、
お魚の時は、大活躍。
昨日、植木屋さんが鯛を持ってきてくれた。
活躍できるのは、魚を捌く時くらい。
それでも、何か役に立てるのは嬉しいことだ。
三枚に下ろして刺身にした後は、
せんせいや母ちんにアドバイスしてもらいながら、塩焼き、うしおを作った。
できることが一つずつ増えていく。
10年前、せんせい家に来た時、全く料理ができなかったのに、今は色々作れるようになってきた。
千切りが何cmか、薄切りは何mmか、だいたいって大さじ何杯かと、いちいち細かいことにこだわる私に、アバウト・適当を教えるのに、根気がいったかもしれない。今も細かいところにこだわることがあるけど、「なんとなく」「だいたい」がなんとなく(笑)分かってきた。
料理ができるようになってきたことは嬉しいことだけど、
何よりも、3人の暮らしの中で一緒に「役に立っている」感覚が嬉しい。
「頼りになるわ〜」とせんせいと母ちんに言われる日々、幸せです。