[2018]Aju個展

私の好きな形は四角。 タイルや電車の窓、四角いビル中にある 四角い窓を見ると、身体がゾクゾクする。 直線も好きだ。 まっすぐまっすぐ、きれいに伸びていく姿は 見ていてかっこいい。 だから、都会の世界は大好きだ。

私の嫌いな形は丸。 あまりにも出来すぎた形で、近寄ること が難しい。 柔らかい葉の形も、もくもくした雲にも 目をそらす。 まるで、この世の完成を見せつけられた かのような錯覚に陥るからだ。 だから、自然の世界に入るにはちょっぴり 勇気が必要だ。

でも歩いてきた旅路の中で いつの間にか、こんなことを思い始めていた。 「あれ?曲線もいいんじゃないかな?」 「直線が好きだったはずなのに」 「それに、完璧な形って無いのかもしれない」 「何を怖がっていたんだろう」 「木ってこんなに惹きつけられるものだったっけ?」 旅の終わりの頃には、すっかり、曲線の虜になっていた。

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