惨劇を
画面越しに見ることしかできなくて

攻撃音も
悲痛な叫びも
スピーカー越しに聞くことしかできなくて

恐怖心を
迫り来る死を
どれだけ想像したとしても
それは
同じ体験を分かち合ったことにならない

一番助けてほしいときに
助けられずに

一番そばにいてほしいときに
そばにいられずに

「助けてくれ」
という声が
心の中で
行き場を失う

目の前で消えゆく声で
「一緒にいる」
と答えても
届かない

それでも
「一緒にいる」
と言わせてください

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