数をいつ覚えたのか分からないけど、気づいた時には、そばにあった。頭の中にそれを並べて、眺めているのが好きだった。そうしていると安心した。
数は好きという以外に、気持ちを落ち着かせてもくれた。
不安になると、いつも数字が見えてきた。
私はその場にそぐわない行動をとることが多かったらしく(その時は分からなかった)、怒られることが多かった。怒られる理由が分からなくて、ただ聞こえてくる怒鳴り声や言葉の攻撃の時間が過ぎるのを待つしかなかった。
その時、いつも数を数えた。時計が1周する60秒と自分の数える60が一緒になるように、時間になりきった。
そうすると辛くて耐えられそうにない自分の心を遠ざけることができた。
数が浮かんでくるのは、自分の意思というよりも、脳がそうせずにはいられない感じがする。防衛本能なのかもしれない。
数の現れ方は時間と共に変わっていくけど、いつも一緒にいてくれる。
少し前まで、不安に押しつぶされそうになると、駐車場に行った。停まっている車のナンバープレートを見て、左から計算して10になるのを何台も何台も繰り返した。気づけば2時間経っている時もあった。でも、そうすることで、自分を守ることができた。
最近、少ししんどかった。
人との関係や自分の周りで起こる悲しいこと。
頭の中は、数しか受けつけなかった。
どこにいても、どこを歩いていても。
外を歩けば、目に入る4桁のナンバープレート。その4桁の年の暦が浮かんできて、その年の今日(の月日)が何曜日なのか思い浮かべる。
数は自分の意思とは関係なくどんどん取り込まれていく。
数だけが目の前に迫ってくる。
本を手にとっても、すみっこのページ数に目がいく。
本の後ろのバーコードの数の並びに気を取られる。
新聞を見ても数ばかりを拾ってしまう。
文字が読めない。
数から離れようと
ニュースを見ても、右下に出てくる時刻ばかりに目がいく。1分ごとに変わる数が気になって仕方がない。
寝る前の楽しみのyoutubeも、再生回数、再生時間の数ばかりが目に入ってくる。
その度に暦が広がっていく。
内容なんて全く頭に入ってこない。
自分ではコントロールできないところで、頭がフル回転して、とても疲れてしまう。
短い時間で頭が熱くなって、急に眠くなる。
私は自分の特性を知って、それが生きにくさにつながらないように、一緒にいてくれる人たちに手伝ってもらいながら、対処方法を見つけてきた。
でも、これについての対処方法はないと思う。
だって、これが自分で自分を守るための方法だったから。
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